街の記憶

長野駅〜善光寺・権堂 (1)2020年撮影

長野市−−長野県の県庁所在地、善光寺の門前町、そして1998年冬季五輪の開催都市として知られる内陸都市は、人口およそ37万、都市圏人口は約58万と長野県を代表する街。長野市街地はJR長野駅の北西側(善光寺口)側に展開、商業中心は長野駅周辺から二線路通りにかけて広がっており、ながの東急百貨店やC-Oneなど多くの大型商業施設が駅前広場から見える箇所に集結している。
また長野市街の南北軸として、長野駅から二線路通りを3分ほど歩くと到達できる「中央通り」があり、駅近は商業地として、駅から北に離れると善光寺の門前の街並みに。長野駅〜二線路通り〜中央通り〜善光寺という一本の軸が確立されており、歩くだけで「県内随一の商業地」から「善光寺の門前町」への変化が楽しめる。

長野駅周辺

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長野駅自由通路からスタート。不動産開発はお手の物、JR東日本系の駅ビル「MIDORI」は、長野・松本という信州の二大都市にある駅ビルで、北陸新幹線延伸と同時に大幅増床したMIDORI長野は特に売り場が広く有力テナント多数。まあ、松本はパルコの存在がデカいというのもあり。

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長野駅。1998年の新幹線開業で橋上化され、さらに2015年の金沢延伸の際に善光寺門前の街の雰囲気に合うような駅舎が新築された。
駅前広場の整備も同時に行われ、タクシー・バス乗り場の上屋も駅舎と合わせたデザインに。広い平面空間が気持ち良い。

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駅前のデッキから北方向。雑居ビル、ビジネスホテル、百貨店……さまざまな建物がひしめく駅前。
県庁所在地としては珍しく城下町"ではない"長野市街地、細い路地が縦横斜めに突き刺さっており、建物の並び方が様々。

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デッキから北西方向。実は山が近い。

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南西方向。こちらは新そうな建物が並ぶ。

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地上の駅前広場に降りてみるなどする。駅前にはペデデッキがありながら小規模で、人の流れの方向的にもどちらかというと地上の広場の方が人通りが多い。

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駅前を縦断、長野市街地を囲む環状線の一部をなす「長野大通り」は長野電鉄の立体化(地下化)で整備された道路。 細い路地が多い長野市は、同時に市街の外郭を取り囲むような幹線道路もきちんと整備されている。「トラフィックセル方式」なるキーワードで調べてみても面白い。

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写真左はアールエフ(長野県の企業)による商業施設「C-One」、千葉駅前にも同じような名前の商業施設があった気がするがそれはさておき若者向けの洋服店やスタバが入り、人通りの多い「二線路通り」の玄関口に面する好立地。
一方、右側は長野市街地唯一の百貨店である「ながの東急」。

二線路通り〜中央通り〜善光寺

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シーワンの左側を抜けるは二線路通り、新旧の建物がひしめく。善光寺参道につながる市街地の南北軸・中央通りと長野駅前広場を結ぶ重要な通りで、モール化されている。同じ長野県の松本の公園通り(注:松本駅からパルコや松本城を目指すルート)にも似て飲食店が多い(が、こちらの方がより都市軸らしく人通り多め)。

駅から善光寺までの最短ルート。街の軸として沿道には商店が並ぶ。 画像

写真正面のゴツいビルが元・長崎屋で現在はファッションビルの「again」、アニメイトなどのサブカルショップもここに集積していたり。
窓割りからして古そうな造り。

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そしてこちら中央通り。灯篭?風の街路灯など景観整備の気合の入れ方が一目でわかる感じ。
二線路通りと異なり車道もそれなりの広さがあるが、通過交通が外に流されているのでそこまで交通量多くなく、安全。

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空がなんとも言えない色になってたので。

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歩き始めが遅かったので夕焼けの複雑な色にiPhoneのカメラの表現力が追いついていないが、記録写真ということで勘弁してほしい。
写真は「かるかや山前」交差点。苅萱山西光寺からその名が来ているっぽいが、「苅萱山」と書くと普通なのに平仮名にすると途端にかわいくなるな

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西方向、山の手。ちなみに今回は訪れられなかったが、県庁や裁判所などの公的機関は市街地の西側、標高の(やや)高いところに鎮座している。

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again方を振り返るなどして。
手前の4℃ブライダルが好例だがこの辺り、全国展開する店が何気なく路面店を出してたりして侮れない。

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東方向。沿道のビルの形や色は様々だが全体としてまとまった景観

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中央通りをさらに北へ。緩やかな左カーブを描く。この先は善光寺まで一直線。

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道は左右を分断しない程度のちょうど良い道幅。街路樹が映える。

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ちなみに表通りは真っ直ぐ整っているが、一本裏路地に入ると迷路のよう。

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駅から700mほどの新田町交差点は、かつてダイエー・そごうと流通の二大覇者が交差点を挟んで睨み合っていた場所。しかし時は流れ、商業重心は駅前に移り、更にそごうが倒産し少ししてダイエーも後を追ったりして、まずそごう跡地は地元放送局の信越放送(SBC)局舎に商業ゾーンなどがくっついた複合施設「TOiGO」(トイーゴ)が新築された。

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一方ダイエー跡、こちらは建物そのままに「もんぜんぷら座」がオープン

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この交差点で東西に突き刺さるのが国道19号線昭和通りなる幹線道路で、オフィスビルが建ち並ぶ落ち着いた街並み。
そしてこの交差点を境に

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「長野市の中心市街地」から「善光寺の参道」へ雰囲気が転換。

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風情ある街並みに変化してくる。

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夕方、ブレてしまったが「セントラルスクウェア」。スクエアでなく"スクウェア"。
何気ない都市公園に見えるが、長野五輪の表彰式会場が行われた歴史的プレイス

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なのでオリンピック関連のオブジェがあったりする。

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さて善光寺に近づくにつれ、リノベっぽい雰囲気の飲食店や物販店などもにわかに増えてくる。

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勾配が明らかに急に。指数関数カーブみたいな昇り方をする。

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交通結節点から離れた路面店がおおかた営業しているだけで活気が感じられてよいが、お店一つひとつも良さそうお店が多くて寄り道したくなる。

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大門交差点。ぱてぃお大門なる施設も存在する交差点。歴史を感じさせる街並みが現代になって整備されているエリア。

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長野の地銀・八十二銀行の支店。戦前の築かと思いきや平成になってから外観が復元された物件だったり。

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ちなみに「ぱてぃお大門」。空いた蔵を住民有志の組織によるリノベーションで生まれ変わった空間で、 賑わいが創出されていた。

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大門の十字路をすぎるともう程なくしてその名も「善光寺」交差点。ここから先は歩行者オンリーです。

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いやもう日が暮れてしまうが、仁王門。本堂はまだかなり先。

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仁王門の先には仲見世通り。日が傾く前に来るとよいです(店が閉まるので)

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そしてよく見る構図。
ここだけはナイター設備バリの投光設備がありいつでもデータイムみたいな明るさだった。

裏通りの街並み

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善光寺のあたりの裏路地。飲食店や物販店、宿坊などが立ち並んでいる。散策が楽しい。

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少し下って大門のあたり。このあたりは「ぱてぃお大門」周辺以外にもリノベ物件が点在している。

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黄色い灯が街に優しい。

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もう少し降りると、権堂アーケードに近づくと徐々に歓楽街の色が強くなってくる。

権堂アーケード

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長野市街地にある唯一の全蓋式アーケード、権堂駅から西に伸び、前述の中央通りにぶつかって終わる。

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もともと長野随一の歓楽街の権堂界隈だけあって居酒屋が多い。

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アーケードを外れるといかにも飲食店が多そうな街並み。

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そんな中に映画館があったりもするのですがね・・!
映画シーンの中身がシネコンに移る昨今、、街中の映画館を見ると何故か少しホッとしたり

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権堂駅すぐ近く。この辺りになるとチェーン店もちらほら。

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長野の地下鉄こと長電権堂駅。

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駅に入る。昭和にタイムスリップできそう。

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前述の映画館「相生座」のポスター。

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改札、当然のように手動改札。長野方面の電車で長野駅に戻ることに、夕方6時台。それなりに乗客の姿があった。


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