街の記憶

藤沢 (1)2020年6月撮影

湘南の玄関口として知られる藤沢。JR東海道線・小田急江ノ島線・江ノ電の3路線が集結する一大ターミナル・藤沢駅の周辺には、1970年前後から駅南口を中心に行われた土地区画整理により複数の百貨店や商業施設が立て続いて開業、「オーバーストア」だとして問題になる向きもありました。さらにオフィスや塾・予備校なども集積し、湘南地区を代表する繁華街に成長します。
2000年代に入ると郊外に大型店が出店するようになり、特に隣駅の辻堂駅すぐに開業したテラスモール湘南などはこのエリアの商業のパワーバランスを一気に揺るがす大型物件。市全体で見れば現在も人口は増加中、駅周辺も再開発が進み大規模マンションが増えつつあり、今後の拠点性や街の性格の変化が注目されます。

駅周辺

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JR・小田急の藤沢駅。こじんまりとした駅舎だが、2社の乗降客数は一日およそ38万を誇る。
1Fに小田急の、2FにJRの改札がある特徴的な構造。小田急の改札を2Fに移設する計画もあるとかないとか。

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駅前ロータリー。百貨店やデッキはどれも概ね1970年代に作られたもので、この都市景観はそのころに決定づけられた(?)もの。
ターミナルは駅寄りにバス・タクシーが入り、中央の交通島で一般車の乗降が行われている模様。

千葉県民の私としては、柏や津田沼を思い出して少し懐かしい感じ。

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ロータリーから南東方向。駅南の繁華街はこちらの方向へ伸びているようで、雑居ビルが所狭しと並ぶ景色。

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デッキはJR/小田急の駅舎と、ODAKYU湘南GATEと一体化した江ノ電の駅を結ぶ役割もあり、
最短ルート上には屋根が設置されている。通行量も多い。

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ロータリーの南側から北東方向。広々としたロータリー周辺にビルが並ぶ都市的景観。
写真正面、三井のリハウスの看板があるビルは通称391街区と呼ばれる防災建築街区。戦後の区画整理で、市街にひしめいていた店舗を中庭を配した大きな建物として共同化・高層化し、「燃えない都市づくり」を志向したもの。
この南口ではロータリーを取り囲む全ての建物で計画されていたが、実現したのはこの391街区のみだったという。

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391街区のビルの一つ、フジサワ名店ビル(と駅北のビックカメラ)。
渋い建物の商業ビルは「魅惑の頑固商店街」を名乗る。

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こちらはフジサワ名店ビル前。写真右側に見えるのは駅ビルの「リエール」の入口。
この空間、名店ビル⇔リエール(〜駅)の導線があり、さらに昔の街道(江ノ島道)の流れを汲む南北地下通路と「ファミリー通り」を結ぶ通路が直交する"交差点"にあたり、かなりの往来がある。

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南口ロータリーを囲むように、二つの大型商業施設がある。

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ロータリーを挟んで駅の南側にあるのはODAKYU湘南GATE。2Fに江ノ電の藤沢駅を抱え込む形のこの建物は、1974年に「江ノ電百貨店」として開業、その後業績悪化で小田急百貨店に鞍替えし、さいか屋と並んで藤沢駅前の百貨店として営業。 2019年ごろに改装のうえ百貨店部分を大幅に縮小、現在の名前に改称しファッションビル形態で営業している。
小さい窓が壁一面にぎっしり並ぶ意匠はいかにも70年代前後のデパート感がある(同じぐらい古い柏の丸井なども似ている)。6Fには市の図書館を入居させるなど公共施設としての側面も。

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ロータリー西側にあるのはファッションビルの湘南藤沢オーパ。1973年に百貨店「十字屋」として開業、業績不振でその後閉店し、跡地に1985年ごろファッションビル「コスタ」が開業。さらにダイエー系(当時。現在はイオン系)の「藤沢オーパ」になり、2019年の改装で頭に「湘南」をつけた。
駅前のファッションビルの一つとして若者向けの需要を満たしているようだが、ルミネの改装でユニクロを持っていかれたりと苦労もある模様。

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駅の南東方向に伸びる3つの道を、ペデデッキの上から眺める。

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まずはロータリーから真東に伸びる真っ直ぐな道。なかなかの細い道幅に、カラオケ店・飲食店・居酒屋などが所狭しとひしめく街路景観。
道の先にはディスカウントのオーケー(OK)ストアもあり(100均や紳士服店なども入った大きい店舗)、かなり人の往来が激しい。

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南東に伸びるのは南口本通り。この地区を南北に縦断する国道467号とロータリーを繋ぐという意味で道路交通上は街の入り口ともなろう道路。 先述の通りほどではないが繁華街らしく、店舗の集積が見られる。

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こちらは「ODAKYU湘南ゲート」の東側を抜けて真南に伸びる「ファミリー通り」。藤沢市によって1990年代に電柱の地中化や街路灯の整備といった「モール化」がされた通りで、街の軸として意識されているらしい。

上記2つの通りよりは落ち着いている印象で、小洒落た飲食店や雑貨店も点在する。

オークスモール

ロータリーから真南に伸びる通り。途中から江ノ電の高架橋を挟み込む独特な形になる。

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湘南藤沢GATEとオーパの間のこの通り。南に進む。

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駅の方を振り返りつつ。街路樹の緑と、GATEの独特な建物とが作る景観。

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(↑の写真とは反対側の歩道、北方向)地図で見ると大きな通りだが、繁華街の重心からは外れており、街並みは落ち着いている。

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反対の南方向。ビルから出てきた江ノ電の線路が顔を出し、駐輪場に代わって中央分離帯の主になる。

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脇道。オフィスビルが多そう。

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オークスモールの銘板。

らんぶる街・橘通り

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駅の南西、オークスモールより西側一帯を歩く。

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らんぶる街。オーパの裏手にあたるこの辺りは、駅南の区画整理区域に含まれ整備されたエリアを含み、 道幅は余裕があり整然とした印象。バーや飲食店が立ち並ぶ。

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新そうなホテルやウイークリーマンションもある。

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怪しげな店は少なく、健全な夜の街といった感じ。

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写真正面にはオーパの巨体が見える。

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区画整理区域外では一部に隘路も。隠れ家的な飲食店が行列を成していたりする。

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オーパの前に出て、橘通りへ。

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こちらも飲食店が中心。昔からあったのか割と細めな道。

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通り名の由来になったであろう地名(逆かも)。
この辺りの地名は枕詞的に「鵠沼」が使われている、さすがはブランド地名。

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北向き(駅の方)。狭い一方通行の道。

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らんぶる街のあたりを過ぎると、徐々に落ち着いた街並みに。

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落ち着いた個人店があり、背後にはマンション。

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飲食店や雑貨屋が点在している。

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この辺り、マンションが雨後の筍のように生えまくっており、藤沢市の人口増に(おそらく)貢献している。

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土地柄、「江の島・相模湾を見晴らす」眺望がウリのマンションが多い。


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